【ハムストリングス】トレーニング時の筋活動

ハムストリングスのリハビリテーションを行うにあたって、トレーニング時の筋活動を把握しておくことは重要です

以前の記事でハムストリングスの代表的なトレーニングであるレッグカールとヒップリフトに関して複数の文献から筋活動をとらえました

ハムストリングスの筋活動①

今回は、10種類のハムストリングスのトレーニング時の筋活動を分析した論文を共有します

また、最大の筋活動時の筋収縮の形態はどうなっているのかということも検証されており面白い内容となっています

ぜひご覧ください

目次

この記事のポイント

  • 20名の陸上競技の女性アスリートを対象に10種類のハムストリングストレーニング時のハムストリングスの筋活動を分析しました
  • また、各運動時の最大収縮時の筋の収縮形態も分析しました
  • 各運動でハムストリングスの使い方が異なることが分かりました

文献情報

性エリート陸上選手におけるハムストリングストレーニング分類に基づいた筋活動とトレーニング強度:リハビリテーションの運動選択を示唆

Tsaklis P, Malliaropoulos N, Mendiguchia J, et al.”Muscle and intensity based hamstring exercise classification in elite female track and field athletes: implications for exercise selection during rehabilitation”Open Access J Sports Med. 2015 Jun 26:6:209-17.

doi: 10.2147/OAJSM.S79189.

抄録和訳

背景

ハムストリングス損傷は、陸上競技をはじめとする多くのスポーツで発生する

筋損傷はハムストリングスのさまざまな部位で発生するが、一般的なハムストリングスの運動は、それぞれのハムストリングスにどのような負荷をかけるかどうかについてはほとんど知られていない

本研究の目的は、代表的なハムストリングスのトレーニング中に、各筋の筋活動を調べることであった

方法

本研究には、陸上競技のエリート女子選手20名が参加した

各選手は10種類のハムストリングスの運動を実施し、大腿二頭筋および半腱様筋の表面筋電図(EMG)を記録した

最大等尺性収縮(MVIC)時のハムストリングスEMGを用いて、各運動の10回反復における平均データを正規化した

また、EMGと同期させたシステムを用いて、ピークEMG活動が筋腱ユニットの伸張期(lengthening)、短縮期(shortening)、または長さが変化しない時期(no change in length)のいずれで発生したかを判定した

各運動における2つの記録部位(大腿二頭筋・半腱様筋)間の平均EMG値の比較には、t検定を用いた

結果

ランジ(lunge)、デッドリフト(dead lift)、およびケトルスイング(kettle swing)は低強度(<50% MVIC)であり、いずれも半腱様筋のEMG活動が大腿二頭筋より高かった

ブリッジ(bridge)は低強度に近い中等度強度であり、TRX、ハムストリングブリッジ(hamstring bridge)、ハムストリングカール(hamstring curl)および、ノルディック(Nordic)は中強度(≥50%かつ<80% MVIC)だった

フィットボール(fitball)、およびスライドレッグ(slide leg)運動はすべて高強度運動であった

その中で、フィットボールのみが大腿二頭筋のEMG活動が半腱様筋より高い結果を示した

ランジとケトルスイングのみが筋腱ユニットの伸張期にピークEMGを示し、これらはいずれもスピードの速い運動であった

※:アブストラクトではノルディックは高強度に分類されていますが、本文中では中強度に分類されているので本文と記載を合わせています

結論

いくつかの運動では、ハムストリングス遠位部の外側(大腿二頭筋)および内側(半腱様筋)が選択的に活動することが示され、低・中・高強度の運動を明確に区別することもできた

これらの知見は、臨床家、ストレングス&コンディショニングコーチ、理学療法士が、ハムストリングスリハビリテーションにおける強度・筋活動を理解する上で有用である

本研究結果から、段階的な筋力強化、リハビリテーション、および予防プログラムの立案に役立つ可能性がある

マイルの推し文(POWER SENTENCE)

The main finding of our study was that commonly prescribed hamstring exercises can be divided into semitendinosus-dominant and biceps femoris longus-dominant, and can be classified into high, medium, or low according to their activation intensity.

我々の研究で、ハムストリングスの運動は半腱様筋優位と大腿二頭筋優位の運動に分けられ、強度も高強度・中強度・低強度と分類できることが分かった

感想にまいる

ハムストリングスの筋活動として、10種類の運動時の表面筋電図を分析した研究の紹介でした

ハムストリングスのトレーニングは以下の10種類を選択されました

各トレーニングの詳細な方法に関しても論文中で記載があるので、ぜひ目を通してみてください

リハビリでも実際に選択することが多い項目ではないでしょうか

これらのトレーニング時の筋活動を分析した結果は以下の通りです

論文中では、随意性最大等尺性筋収縮時(MVIC)を参考にしておりMVICが50%未満は低強度、50%以上80%未満を中強度、80%以上を高強度としてトレーニングを強度分類しています

トレーニングの強度分類

低強度ランジ
デッドリフト
ケトルベルスイング
中強度ブリッジ
TRX
ハムストリングスブリッジ
カール
ノルディックハム
高強度ボールフレクション
スライドレッグ

また、各運動時の最大筋収縮時の筋の収縮様式を提示してくれています

ランジとケトルベルスイングは伸長位のみで最大筋収縮が生じています

筋の収縮形態も把握して、適切な運動処方ができるといいですね

筋の性質も合わせて頭に入れておくことは大切です

筋肉 ~性質を捉える~

トレーニングメニュー1つ取っても重心の位置や各関節の角度、トレーニング速度や支持基底面の広さ、床の環境などを変えることで様々なバリエーションを持たせることができます

ベースとなる運動の知識を持って、そこからさらにアレンジしてオーダーメイドなリハビリを提供していきたいものです

ご覧いただきありがとうございました

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マイル
理学療法士・ブロガー
理学療法士歴10年超の30代
クリニック、病院勤務、スポーツチーム帯同を経て得た経験を発信中
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